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1月6日 たのむよインド〜詐欺するタクシーとNo Problemインド人
経由地ムンバイ(旧ボンベイ)に着いたのは明け方近い4:00過ぎだった。往路に滞在したTulip Star Hotelが、今日も提供される。空港で待ってるはずの出迎えの人を探すが見あたらない。Hyatt HotelやHilton Hotelからは迎えの人が来ているが、Tulip Star Hotelは人を出していないようだ。ならばタクシーで向かおうと、ドライバーを捜すとすぐに見つかった。Hyatt Hotelなどに向かうハイヤー運転手にTulip Star Hotelまでの運賃をあらかじめ聞いたところ$5以下で行けるという。名乗り出たドライバーが「$5でNo Problem」というので、案内された車の後部座席に乗ると、助手席にドライバーの友人だと名乗る男が乗り込んできた。友好的な男で「インドは暑いか!?」「インドのどこに行った!?」「日本人は好きだ」などと、息もつかせないほどに話しかけてくる。世間話を続けていた男が不意に「Tulip Star Hotelはムンバイに二つあるが、どっちに泊まるんだ!?」と聞いてきた。それまでの質問を適当に流していたオレも、この返答にはとまどった。二つあることなど初めて聞かされた。それでも「空港から20-30分で行ける方に連れて行ってくれ」と答えると、「そりゃぁ、海岸の方だよ。$20はかかるねぇ」などと抜かす。「$5で行けると言ったよな!?」とドライバーに問うと「近い方のホテルまでの料金だ。海岸は遠い方だから$20かかる。」来た来た来た来た。こいつらグルだ。ふっかけて来た。インドに来て面倒に巻き込まれた。

「わかった。$20払おう。その代わりレシートをくれ。」レシートを提示し、払った料金をTulip Star Hotelに請求しようとしたのだ。だが男は「インドのタクシーはレシートなどは渡さない」という。長期戦になりそうだが、怯んでたまるか。「じゃぁ、オレと一緒にホテルのマネージャーのところまで来い。マネージャーが、お前に払うよ」と切り返すと、男はドライバーとヒンズー語で相談し「そんな時間の無駄はしたくない。$10に負けてやるから、払えよ。」と、一気に$10も負けてきた。本当に頭に来る。ナメられたものだ。コイツらにはびた一文渡してなるものかと心に誓い、「オレは金は持っていない。レシートを渡すか、マネージャーのところに一緒に行くか、空港に戻れ。」と3つの選択肢を与えた。「いや$10払えば連れて行ってやる。」しばらくはその繰り返しの押し問答。業を煮やした男がヒンズー語で何か言うと、ドライバーは人気のない路地に入った。これはヤバイ。相手は二人だ。身の危険を感じたオレは「空港に戻れ!」と、大声で怒鳴りつけた。無視して走り続けようとするので、助手席を蹴り飛ばし「はやく空港に戻れっ!」とさらに強く怒鳴りつけた。「わかったわかった。空港に戻る。」男は、オレから金を巻き上げることを断念したのか折れた。それからは無言が続く車内。オレは後部座席から身を乗り出して、道路標識やかすかに覚えている道順を監視した。怪しい行動を取れば助手席の男を羽交い締めにしてやろうと思っていた。防衛本能か、オレは殺気立っていた。

空港でタクシーから降りると、全身から力が抜ける。虚勢を張って緊張していたのだろう。疲れた。とことん疲れた。空港で寝ようかとも考えたが、気を取り直し、また新たなタクシーを探そうと、人に尋ねた。タクシー乗り場だと指し示された方向を見ると、Tulip Star Hotelのマイクロバスが偶然停まっている。ホッとしながら、乗り込むと、オレしか乗客がいないためか、なかなか出ない。運転手に「いつ出るのか」と聞くと、空港のオフィスにいるというボスに尋ねに行った。どうやらそのボスが乗り込むのを待っているようだ。「No Problem。もうすぐ出るよ」と運転手は伝えてきたのに、いくら待っても出ない。いらついたオレが直接オフィスに行くと「No Problem。あと、5分待ってください」とボスと呼ばれる男が言ってきた。あとさきにNo Problemを付ける奴らだ。なにがNo Problemかよくわからないが、ともかくそれから5分待った。―――が、出ない。もう我慢の限界だった。だいたいTulip Star Hotelがハイヤーを出さなかったことが、タクシー事件のそもそもの原因だ。そして、そのTulip Star Hotelのバスが、自らの従業員待ちで出発しない。こんなことがあっていいのか!?オレはひどく疲れている。オフィスのドアを開け、また怒鳴った。「早く出せ!」

tulip star hotel
5つ星の高級ホテル チューリップ・スター・ホテル
(c)tulip star hotel

結局ボスは乗らず、マイクロバスはホテルにオレだけを運んだ。これだけサービスが悪いのにチップを要求してくる運転手に呆れながらも$1渡して追い払い、「ハイヤーが来なかったぞ」とオレはマネージャーにさっそく怒鳴り込んだ。「今日はとてもたくさんのお客様がおりまして、どなたにもお迎えの車を出すことが出来なかったんですよ、サー」と謝らずに言い訳をする。「たくさんいた!?このホテルではたくさん客がいたら、迎えは出さないのか?」呆れながらも尋ねると「ほら、見てくださいよ、サー。こんなにいるんですから。今日は400人ですよ、サー、400人。見てくださいよ400人。」と客の氏名が書かれたリストを得意げに広げて見せた。400人といったらジャンボ機全員の乗客を合わせてもまだ足りない。加えて、明け方の閑散としたロビーを見るに付け、とても一気に来たとは思えない。オレが口を開くより早く「No Problemです、お客様。お客様のお部屋は、しっかり用意してございます、サー」とニッコリ微笑んだ。オレは閉口した。部屋まで案内してきたベルボーイを$1払って追い払うと、もう5:30を回っていた。タクシーでは本当に危なかった。詐欺の標的になった。彼らが強盗に変貌することだって十分考えられた。安全を考えれば$20程度払うべきだったろう。とにかく、やっと休める。今夕、ムンバイを発ちデリー、タイのバンコクを経由して、明日には帰国する。風呂に入れる。洋服を着替えられる。箸が使える。どうにも待ちきれない。

5つ星の高級ホテル チューリップ・スター・ホテル (c)tulip star hotel
5つ星の高級ホテル
チューリップ・スター・ホテル
(c)tulip star hotel

以上の日記を疲れながらも記し、7:00近くになってオレは寝た。11:00近くにホテルのレストランで朝食を取って部屋に戻ると、男が部屋に入り込んでベッド・メーキングをしている。いったい、なんなんだ!?「オレはチェックアウトをしてないんだけど、なんで勝手に掃除してるの?」と言うと、「マスターキーで入りましたから、No Problemです、サー」とシャーシャーと答える。「そうじゃなくて、困るんだけど出て行ってくれない?」と困惑して言うと「No Problemです、サー。マスターキーがあるから、出て行ってもらっても部屋の鍵は閉められます。」これがこの国の5つ星ホテルだ。「出て行ってくれ」ドアを指し示し、オレはまた声を荒げた。男はドアのところでなぜか笑い、手を振ってドアを閉めた。頼むよ、インド〜〜。それにしてもインドに来て、怒りっぱなしのオレである。

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