ウガンダのちいさな学校 ニュートピア

ニュートピアって何?

ニュートピア通信

学園風景

ボランティアと支援金について

教えてウガンダ

リンク
こちらニュートピア
ボランティア先生奮戦記
ウガンダ体験記
ボランティア先生奮戦記 ケニア編
アフリカの旅

2005年の3月、ウガンダの首都カンパラからバスで約4時間のところにある、カクト村に二週間ほどお邪魔しました。学校に着くと待ち受けていたのは、約120人のかわいらしいこどもたち。さあ、みんなと友達になるぞ!という意気込みとは裏腹に、みんなは見慣れない色の外国人である私に近づいてこようとしません。そう、この地域は全く外国人とは縁遠い田舎の地域で、昔と変わらない素朴な生活が続いている場所なのです。

初めはなかなか心を開こうとしなかった子供たちも、1日経てばすぐに打ち解け、たくさん交流するようになりました。みんな裸足で野原、丘を駆け上がり、畑のサトウキビをこっそり取ってきてはかじり、本当に純粋な子供たち。一生懸命日本語の挨拶を覚えようとし、またボロボロになったサッカーボールで時間を忘れてサッカーを楽しみ。どこにでもいる、かわいらしい年代のこどもたちです。
ウガンダ-ニュートピア

そんな彼らが、決まって聞いてくる言葉がありました。「あなたは何人子供がいるの?」「あなたの兄弟は何人生きているの?」衝撃でした。私は20歳そこそこで、日本ではまだ結婚している女性はかなり少ない年代です。でも、ウガンダには若い母親がたくさんいます。20歳ともなると、子供が2、3人いてもおかしくないのです。そして何よりも、「兄弟が何人生きているか」なんてことは、日本ではめったに出てこない発想です。しかし、ウガンダでは多くの子供たちが、若いうちに命を落としています。幼児死亡率は1000人中83人と言われています。なんと高い確率なのでしょう。

この「若い母親」「高い幼児死亡率」の原因となっていたのは、この地域で大変蔓延している、「エイズ」と「マラリア」でした。この二大病のせいで、多くの人々が無情にも命を奪われていきます。そのため、平均寿命は43歳。なんと日本の二分の一です。この短い平均寿命のために、多くの人が若くして子供を生みます。

そしてさらに追い討ちをかけるように、「エイズ」「マラリア」以外にも、この地域には「絶対的な貧困」が存在しました。元々あまり土地の肥えてない地域です。多くの住人が農業を家計の主体としていますが、収入は決してよいものではありません。その結果、もちろん栄養のあるものは食べられません。マラリア蚊に刺されてもそれに対抗しうる栄養補給はできません。しかし皮肉なことに、学校の理科の授業では、「マラリアの予防のためには、卵や肉といった栄養のあるものをとる必要がある」という知識を子供たちが学んでいました。でも現実的に、卵や肉は高級品でなかなか手の届くものではないのです。痩せている子供たちを多く目にしました。またカクトには電気も水道も通っていません。十分な水を使って手を洗い、食器を洗えるわけではありません。衛生環境も決してよいとはいえません。

村にひとつだけあるという、カクトヘルスセンターを訪問する機会がありました。希望を失ったかのように、ぼおっとたたずむ数多くのエイズ患者たち。そして、病室に入りきれず床にうずくまったマラリア患者たち。すさまじい光景でした。病人の数に対して、医療も大幅に不足しています。

こうした状況下で、何度「died」という言葉を子供たちから聞いたことでしょうか。お母さんが、お父さんが、そして兄弟が・・・、何人もの子供が身内の人を何人も亡くしていました。信じられない、でもそれが現実でした。

そんな中、学校ではこどもたちが毎日朝早くから、長い道のりを歩いて登校してきます。ウガンダの国内である中学校進学のための統一試験へ向けて、勉強は必須です。また、教育を受け、何らかの技術、知識をつけることこそが、社会で生きていくための必要条件であり、貧困から脱出できる唯一の方法です。そのため質素な教室で、みんな長い時間勉強します。1日の授業数は、日本の小学校よりもはるかに多いのではないでしょうか。子供たちが、ノートに新聞紙のカバーをかけて、大切に大切に使っていました。教科書ももちろん不足しています。みんなで共有します。

私が訪問した時、この学校は改革の真っ最中でした。まずは教師の教育から。教師も日本のように、国が教員養成をしっかりするようなシステムはありません。そのため、数人の教師に関しては、その質を問うべき点がありました。すべては、貧しい中、必死に教育費を出して通ってくる子供たちのためです。生半可な対応はできません。

こうして、私のウガンダでの日々は、まさに多くの現実と直面し、複雑な思いを抱えつつ、あっという間に過ぎていきました。とても愛らしく、かわいらしいこどもたちの笑顔。学校が終わるとのびのびと野原で遊び、また上級生は下級生にとてもやさしくします。みんな良い子達なのです。ぎゅっと抱きしめると、とても嬉しそうにして。

でも、それとは裏腹に彼らには逃れられない現実がありました。多くの蔓延する病、貧困、大切な身内の死・・・。目の前に子供たちがいるのに、彼らの将来に対して、何の保障も手助けもできないでいる自分の非力さが何度も悔やまれました。

あれから約一年。皆は元気にしているでしょうか。学校を楽しみにして通ってくる子供たち。彼らが今も、毎日元気に登校してくることを願わずにいられません。

ボランティア先生奮戦記INDEXへ


(C)Newtopia